近況報告

桜木清四郎箸店 6月近況報告

気が付けば6月

早いものであっという間に5か月が過ぎました

インフラの復旧のために各業種の方々が頑張ってくれていますが、圧倒的に業者の方が少ないのでは…?

以前よりも工事関係者が増えましたが復興のスピードはかなり遅く感じる

ここ最近、能登復興に関して「これでいいの?」と思えることが増えてきたような気がしています

テレビのニュースで舳倉島の漁師さんが泣いているシーンを見て目頭が熱くなりました

何も悪いことをしていない…

ただ普通に生活していただけなのに元旦に幸せを奪っていった2分…たった2分ですよ

最近では震災に関連する情報が少なくなりましたが、能登人は密かにコツコツと頑張ってます

同業の方々はもちろん、飲食、水産業、朝市に携わる皆さん、そして私の友人たち

一つづつ問題をクリアしていっています

ですが、やはり皆さんが感じられている通り輪島市内は倒壊した建物や瓦礫、陥没した道路がそのまま残っています

工事の進展に関しては専門職ではないので詳しく言えませんが、素人目に見てそう感じます

6/10現在の近況

そんな中、

桜木清四郎箸店は一旦拠点を輪島から金沢に移して1か月が過ぎたわけですが、まだまだ安定はしていませんし問題が山積み

  • 箸の頭を切れない
  • 箸の乾燥に時間が掛かる
  • とにかく数が作れない
  • 機械を動かせる場所が欲しい(かなりの騒音なので難しい)

私だけじゃなく能登に住む全ての方々皆同じだと思いますが

  • 生活の基盤である収入を安定させること

そのことだけを考えて順番にやってきました

5か月経過した現在、国や県や市の補助にとても感謝しております

ただ補助はあくまで補助なので軌道に乗るためには色々考えて行動しなくちゃいけません

正直、今回のような地震で元旦に全てを奪われるなんて想像もしませんでした

白紙からどう進めばいいのか?

地震が起きた直後をとにかく父と母の命を守るための行動をとってました

それから時間の経過とともに生きてくための生業(なりわい)の再建を考えたけど色んなことが交錯して前に進めない…

クラウドファンディングも当然考えました

でも私たちが最初にしたことは、アナログですが行動したいことを全て紙に書き出したんです

その書き出した「事」に番号を打ち順番を付けていった

それで「今」があります

私たちだけでできたわけではなく沢山の関係者の方に支えられていると感じ、やりがいを見つけました

やれることをやる…それが今のフェーズ

今となっては当たり前だった日常は遠い過去のもの

実家も工房も木地工場も全てが破壊されたわけですから、やはり悲しいです

考えないように…と思っても思い出は消えませんし、ぽっかり空いた心の穴は塞がりません

それでも前に進まなければなりません

寧ろ何もしない方が色々考えてしまうので「やれることを探してやってます」

昔から父も母も早起きの習慣があり、朝4時から仕事を始めていますw

自営業ですから正直時間の就業時間の概念がないというところが大きいのかも知れませんが、仕事がある時は休みはなく、時間がある時は好きな釣りに出かけるというライフスタイルの父

この部分は遺伝なのでしょうか?
私も同じライフスタイルになりつつあります

釣りをしている一人の時間は釣りを楽しみながら、これから先のことを考える時間に充ててます

今は自分ではさほどストレスを感じてませんが、おそらく見えない部分の歪(ひずみ)は大きいと思います

これが工房の今の姿

部分解体①:切り張りの確認

そんな中、昨日6/10(月)に輪島の倒壊した工房に行ってきました

先週の余震(震度5強)で建物は若干傾いていました

公費解体を待っている状態ですが待ちきれずに倒壊した建物の奥にある「箸の頭切りの機械」の救出に行ったわけです

私は若い頃に現場仕事をしていた経験があるので、解体の知識は少しだけあります

部分解体②:瓦の撤去

瓦を取り除き、バタ角で切り張りをかまし建物が倒壊しないようにしながら入口を作りました

幸い雨が当たってないので朽ちてません

これはお箸の頭を切断した部分になります

再利用してキーホルダーや箸置きにしたりもできます

部分解体③:入口の確保

入口付近を大きく解体して中へ入りやすくしました

私はこの時点で汗だくになったので小休憩

私の妹と母が山積みになっていた廃棄用の箸の頭を土嚢袋に入れてます

見た目よりも重くて大苦戦

足元が散らかっているのと電気の線などが絡んでたのでぶった切りました

これ150キロくらいあります💦

「ぬぉぉぉぉぉぉぉ」

渾身の力を振り絞ってなんとか台車に乗せて事なきを得ました

部分解体④:頭切りの機械救出

この日一番の大収穫!大金星です!

古い機械で錆びてますが雨は当たってないのでこちらも朽ちてません

少し整備が必要になりますが何とかなりそうです

あとはこの機械を動かせる場所なんですよね…

これからも色んな問題にぶつかっていくでしょう

今となってはあの「未曾有の大地震を乗り越えたんだからなんでも出来る」と思ってます

今回は機械も出せたし更に雨が当たっていないお箸を少し取り出せました✨

作業を終えたあとにワイプラザに寄ったら大好きな谷川醸造の「サクラ醤油」も売られてました

一年後の明るい未来を想像(創造)して今を精一杯生きたいと思います

皆様、今後とも宜しくお願い致します(^^)/

参考輪島塗のお箸のルーツと文化とあれこれ

…とふと疑問の思いました 気になったことは調べなきゃ落ち着かない性分の私 ということで調べました(関係ないことまで…w) ...

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ひろみつ&みいこ

私達夫婦は石川県輪島市で輪島塗箸製造業を営んでいます

令和6年1月能登半島地震で被災

再建に向けて頑張るためにサイトを立ち上げました

一つ一つの商品はハンドメイドです。品質とクオリティに拘ってます

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